信号について

 

田嶋

「近鉄の信号の現示の仕方は『進行・減速・注意・警戒・停止』の3種類があります。

進行は青灯1つ、減速は青灯1つと黄灯1つ、注意は黄灯1つ、警戒は黄灯2つ

停止は赤灯1つが現示されます。

速度についてですが、進行はその時の最高制限速度、減速は95km/hで照査も95km/h。

注意も制限・照査共に65km/h。警戒は制限速度は25km/hですが、照査は30km/hです。

停止は当然ながら0km/h。停止信号を超えると立派な運転事故です。」

 

田嶋

「近鉄のATSは信号現示により、速度照査を受ける時は、各地上子から発信される

速度照査を受けます。この時、走行速度が照査速度を1km/hでも超えれば

ATSが動作し、非常ブレーキがかかります。

信号機に対しては、基本的に「A・B・C」の地上子があり、それぞれから照査速度が

発信されることになります。ここからは図を挟みながら解説させて頂きます。」

田嶋

「まず、信号機に対する地上子にはA,B,Cと名前がついています。

信号機に最も近い方からA、B、Cという順です。

走行していると、C・B・Aの順番に地上子を通過していくことになります。

閉塞信号、場内信号、出発信号全てに地上子があります。

なお、箇所によってはC地上子が省略され、B地上子から始まる信号機もあります。

先程の通り、速度照査はこの地上子から発信され、電車側の受信機(車上子)で

速度照査を受信することで成り立ちます。

また、速度照査を受けた場合、次の信号機の現示が変わっても(例:注意→進行)

地上子を通過するまでは速度照査が残っている状態ですので、

速度照査を受けた状態で加速するときは、十分注意しましょう。」

田嶋

「まず、進行信号の場合は速度照査は発信されません。

走行区間の駅間最高速度、または制限速度内で走行しましょう。」

田嶋

「減速信号の現示がされている場合は、C地上子から95km/hの速度照査が

発信されます。その他の地上子からの速度照査の発信はありません。」

田嶋

「信号機が注意現示の場合、まず一番手前のC地上子で95km/h

A地上子で65km/hの速度照査を受けます。

高速区間では4現示式の信号機が多いのでまず減速信号がクッションになってくれる事が

ありますが、3現示式の信号機ではいきなり注意現示が出てくることも珍しくありません。

いくら先行列車が居ない区間であろうと、油断は禁物です。」

 

田嶋

「続いて、警戒信号です。正直、あまり見かけることはありませんが、

それでも現示としてはちゃんとありますので。。。

C地上子では65km/h、B地上子で45km/h、A地上子で30km/hの速度照査を受けます。

ややこしいのは速度照査は最終的に30km/hですが、この警戒信号自体の"制限速度"は

25km/hだという事です。

これまでの信号機は照査速度と制限速度が共通でしたが、この信号だけ速度が異なります。

なので、仮にA地上子からずっと28km/hで走行してもATSは動作しません。

が、それでも制限速度は25km/hなのできっちり速度を守りましょう。

それと、大概この警戒信号が現示される時は十中八九、前の信号機が注意信号

なので、すでに65km/hの照査を受けている状態でC地上子を通過するので

C地上子の65km/hはほぼ問題ないでしょう。65km/hを超えるとATSが動作するので。」

田嶋

「そして、停止信号です。

C地上子で45km/h、B地上子で30km/h、A地上子は通過した瞬間、問答無用でATSが動作

します。停止信号を超えないように作られたシステムなので、当たり前ですが。

停止信号の現示を見たら、地上子関係なく、速度を落としましょう。」

ATSを動作させないコツ

田嶋

「例えば、直前に通過した信号機が注意現示で、65km/hの速度照査を受けてる

状態だとします。この先の信号は高確率で停止、または注意だと予測ができます。

停止信号の場合は、C地上子から45km/hの速度照査が発信されていて、

信号機の位置によっては、前の信号を通過してすぐにC地上子がある箇所もあります。

65km/hの照査をクリアしたからといってブレーキを緩めていたら

すぐ目の前にC地上子が、そして現示は停止...となれば

以下の様に、間違いなくATSが動作するでしょう。

 

なので、信号現示により、その先の信号が何を現示しているか、その信号現示に

より何キロの速度照査があるか、地上子がどこにあるか...とある程度先読みが

できればATS動作させることなく運転できますが・・・中々運転しながら

それらを考えるのも難しいものです...

なので、注意現示で速度照査を受ける場合は、減速を緩めずにそのまま45km/hの

速度照査があるものだと思って減速しましょう。

これだけでもATSが動作する確率は大分下がるかと思います。

 

それから、多いのはこのパターンですね。

※ここの加速で66km/hに到達

これは前の信号が既に注意信号だったので65km/hの速度照査を受けた状態からです。

次の信号機も注意だったので、そのまま65km/h以下で走行していましたが、

途中で信号が注意から進行へ変わったので、加速をしました。

しかし、進行信号を認めた地点は既に、その信号機のA地上子を超えているのです。

その為、速度照査は現示が変わる前の注意信号、65km/hを記憶しています。

速度照査は次の地上子を通過するまでは、記憶し続けているので、この場合は

65km/h以上の加速については次の地上子を超えて、速度照査が解除された事を

確認してから再加速を行わなければなりません。」